そのとき、朝のHR開始五分前のチャイムが鳴りひびいた。


「きゃあ! 遅刻しちゃう!」

「急ぐぞ、つむぎ!」


 湊斗くんが、わたしに手をのばしたから、その手をとって。

 互いの温もりを感じながら、わたしたちは走った。