ええと、わたしが今一番、願っていることは――。


「みんなにチヤホヤされたいです……」


 これが正直な、わたしの願い――。


「ぼっちのつむぎらしいね」


 賢ちゃんに、じとーっとした目つきで言われ、急に恥ずかしくなった。


「い、いいでしょ、べつに!」


 賢ちゃんにだけは言われたくない。

 むーっと頬をふくらませたとき、急に、黒い石が光りはじめた。


「わわっ! なにコレ!?」


 部屋の中は、黒い石が放つ、紫色の光で染まった。

 なんて、まがまがしい光だろう。

 さらに、窓を閉めきっているのに風が吹きあれ、積みあげている本の山がくずれて、フィギュアはことごとく飛ばされた。


「す、すごい……。やっぱり魔石だ! 魔石が発動した!」


 賢ちゃんが興奮してさけぶ。

 そして……。

 黒い石は、わたしの手から離れて、宙に浮かんだ。


「えっ……?」


 ぽかんとして見つめていると、急に黒い石は、わたしにぶつかってきた。


「きゃっ!」


 制服のブラウスを通りぬけ、わたしの胸のなかに入っちゃったよ!

 くすぐったい感覚とともに、全身がかーっと熱くなってきた。