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 次の日は金曜日だった。

 今日を乗りきれば休みということもあり、聖ネクサス学園の校門に向かう生徒たちはいつにもまして元気だ。

 駅でいっしょになった佐々木さんと小村さんも、やけにテンションが高い。

 それに引きかえ、わたしの足どりは重くて……。

 校門の前で立ちどまって、わたしは弱々しい声で言った。


「わたし、ちょっと用があるから、佐々木さんたちは先に行ってて……」

「いいけど、用事なら、あたしたちもつきあうよ?」


 佐々木さんの言葉は正直うれしい。

 ひとりで会いたくないもん。

 でも、あのドS王子は女の子に対して容赦がないから、やっぱりわたしひとりで会おう。

 そう思ったときだった。


「あっ……」


 ひときわ背の高い、金髪の男の子がやってくるのが見えたんだ。

 取り巻きの女の子たちもいっしょだ。


「あっ、紫音センパイじゃない!?」

「きゃあ、超ラッキー!」


 佐々木さんと小村さんが黄色い声をあげると、校門の前は大さわぎ!


「ホントだ、紫音センパイよ!」

「おはようございます! 紫音センパイ!」


 さすがはイケメン王子・神谷紫音といったところ。

 すごい人気だ。