UFOやネッシーの写真を壁にかざっていたり、宇宙人や雪男、ツチノコのフィギュアを並べていたり、魔法陣や呪文がのった本を積みあげていたり……。

 賢ちゃんはオカルトマニアだ。

 わたしもそういう話は嫌いなほうじゃないけれど、賢ちゃんはもう研究家の域まで行ってると思う。

 マヤと別れたあと、どうしていいかわからなかったわたし。

 賢ちゃんだったら、わたしの話を信じてくれるはず!

 そう思って、家には帰らず、賢ちゃんの部屋に飛びこんで、マヤとの出会いについて話したんだ。

 イスに座り、腕組みして考えこんでいた賢ちゃんは、また眼鏡を指で押しあげて。


「つむぎはわかってないなぁ。こういう話は信じるか、信じないかじゃない。信じたいか、信じたくないか、なんだよね」

「はあ……」


 なんかもっともらしいこと言ってるけど、よくわかんない。

 賢ちゃんは頭いいし、なかでも数学や理科が得意。

 なのに非科学的なオカルト系にハマってるのが不思議ではある。


「ロマンだよ、ロマン。ロマンを追い求めたいんだよ。だから、ぼくはつむぎの話を信じたい」

「ホント!?」


 一応、信じてくれたらしい。