いちごといっしょに、ひとくち大のパンケーキをぱくり。


「おいしい!」


 さらにチョコアイスといっしょに、ぱくり。

 とっても甘いし、いちごの香りも広がって――。

 ほっぺが落ちそう!


「おいしそうに食べてくれるから、こっちまで幸せな気分になりますよ」


 怜音くんが目を細めてほほ笑む。


「ぼくのも、ひとくち食べませんか?」

「いいの?」

「吉丸センパイのフォークを貸してください」

「……?」


 言われるまま怜音くんにわたすと、ひとくち分をフォークに差して。


「はい、あーん」


 怜音くんが流れるように口元にもってきたから、わたしは思わず食べてしまった。

 もぐもぐ。

 ふわふわの食感と、甘さが口いっぱいに広がる。


「うん、おいしい!」

「ですよね。ぼくの一番好きなパンケーキです」


 怜音くんの笑顔が弾けた。


「わたしのも食べる?」


 ひとくち分を切りわけてあげると、怜音くんは自分のフォークをわたしてきて、

「じゃあ、お返しのあーんを」

 と、口をあけた。

 ドキドキしながら、パンケーキを差したフォークを怜音くんの口元にもっていく。

 ぱくっ。