次の日は、朝から曇っていて。

 放課後、学校を出るころには、しとしと小雨がふりだした。


「あーあ、雨になっちゃった……」


 こんな日は、家でのんびり読書したいけれど。

 怜音くんとデートの約束しちゃったもんなぁ。

 あくまで一方的に……だけどね。

 長閑中央駅についたら、雨は強くなっていた。

 約束の四時まで、まだ二十分以上ある。

 ――本屋さんでも入って、時間をつぶそうか。

 なんて考えていたら。

 改札口で、すでに怜音くんが待っていた。


「うれしい! ホントに来てくれたんですね」

「だって、約束しちゃったもん。怜音くん、強引なんだから……」

「あはは。ぼく、そういうトコあるんですよね」


 いたずらっぽく笑う怜音くん。

 無邪気で、澄みきっている笑顔だ。

 あまりにかわいくて、これ以上は文句を言えそうにない。


「ぼくのほうが一本早かったですね。HR終わったらダッシュで学校を出ましたから」

「ええっ、そんなに急がなくても……」

「だってほら、グズグズしてたら、女子に囲まれちゃうから……」

「ああ……」


 共感しかないっ!