そういう彼の声は、学校とは別人かと疑うほどの優しいこえだった。



「あ、あのね、涼太のこと…何だけど」

そういうと、あからさまにムスッとした顔をしていた。


(あ、き、嫌いだったっけ…?)


でも、ここまで来たからにはもう言うしかなく今の思いを伝えた。


「あの…、今少しギクシャクしててこのままどうしようと思ったんだけど、颯也君が慰めてくれたおかげで、自分から変わろうと思えたの。だから…そのありがとう」


そういって、私は彼に微笑んだ。


すると、彼が目を見開いたあと、口元を手で隠しながらプイッと反対方向を向いてしまった。


(え?!なんか変なこと言った?!)


心の中ではキャーキャー騒いでるものの今は騒ぐ雰囲気ではなくて必死に声に出すのを堪えた。


「…そっか…。変われてよかったな」


そういう彼は、どこか切なそうだった。


「うん、聞いてくれてありがと!私部屋戻るね」


そう言って、部屋を出ようとした時、私は自分の目が幻覚を見ていると思ってしまった。