そして、男の人は私の腕を引っ張りながらズカズカと何処かに歩き始めた。


「い、いや…、やめて」


そう必死に訴えるも、反応がなくなった。


その変わり、ものすごい形相で睨まれ思わず「ひっ…。」という声が出てしまった。


(だ、誰か…。たすけて…!)


そう思った時―――









「俺の女にさわんじゃねぇよ」


どこからか、もの凄く低い声が聞こえた。