けど…男の人の足にかなうわけもなく、腕を掴まれてしまった。


「逃げんなよ〜、そんな怖がらなくたって何もしないからー!」


「い、いや…離して…」


弱々しいみっともない声でいったが、そんなことで離してくれるわけもなく…。


その人は、髪の毛は金髪でピアスが何個もついていて、タバコの匂いがプンプンしていた。


なので、不良だということがすぐにわかった。


(やだ……、怖い…)


そう思い、一刻も早く帰りたくて

振りほどこうと手を捻るが、びくともしなかった。