楓くんがたたみかけるように聞いてきたので、わたしは思わずピョンと後ずさった。

「なっ、なんで? なんでそんなに知りたいの?」

 今度は、なぜだか楓くんがビクッとした。

「なんで、って……今は理子のことを聞いてるんだ。おれのことなんか、どうでもいいだろ? はやく答えろよ……」

 楓くんは、わたしから視線をそらし、言いにくそうに口を動かす。

「………………」

 わたしは、楓くんをジーッと見つめた。

 いまの楓くんは樹くんの顔をしているけど、表情だけは楓くんのものだ。

 小さいころから喜怒哀楽がハッキリしていて、わかりやすい。

 幼なじみのわたしにわからないわけないよ。

 明らかに何かをかくしている気配がプンプンにおっていた。

 うん、100パーセントあやしい!

 確信を持ったわたしは、決定的な言葉を言い放った。

「かくしごと、してるでしょ」

「してねーよ」