私って,知らないだけで赤面性だったのかしら……

榛名くんといると,直ぐに顔に熱が行く。

私は何度繰り返したか分からない慣れた動きで,頬の熱を手の甲で冷やした。



「ありすは,こうしてるだけじゃつまらない? それともやっぱり狭いかな,ここじゃ」



ふと考えるように,榛名くんが言った。

聞こえから考えるに,リビングに移動するかと聞いているんだろう。



「そんなこと……ないわ。2人しかいないんだもの,あんまり広くっても,私逆に困っちゃう」

「なんか,それ……少しでも近くにいたいって,聞こえるんだけど? ありす」



ぴくりと,彼の声にからだが震える。

彼の吐息に,熱が伝染した。



「なによ,間違ってなんて,ないんだから」



これ以上は言えない。

そうきゅっと握った榛名くんのTシャツ。

その私の手にそっと手を当てて,自然に榛名くんを見上げた私を,榛名くんは見た。