とうとう熱い息が漏れて,私は両手に顔を埋めた。

どうしてこんなにも,恥ずかしいのかしら。



「……ありす……」

「あら,まああ。榛名くんて,そんな顔もするのね。それは有栖ちゃんもかしら? あんまり可愛いからって,私がお菓子を持って上がるまでは変なことしないでよ?」

「そんな節操無しなことしないよ。そう言うなら今すぐにでも出掛けてくれたら良いのに」

「全く,ひどいのね」



行くよと言われた,こめかみにキスを落とされる。



「ちょっと……!」



こういうスキンシップ,榛名くんには普通の事なのかしら。

やっぱりとも思えてしまうこの気持ち。

だって榛名くん,事あるごとに私にキスするんだもの。

嫌じゃ,ない。

だから,拒んだりも出来ない。

でも,どうしたってどきどきしちゃって。

これが違うなら,榛名くんの言うイチャイチャって,なに……?

お義母さんの前でも平気でキスすることとは,違うものなの……?