それは俺はありすに恋をして,ありすは俺の事等最初から本当に知らないのだと言うこと。

気付いた時,脳への命令が自覚できるほど大きく流れた。

ーコノヒトニ,シラレテハイケナイ

この(ひと)に知られたなら,きっと俺の事を信じられないやつだと拒絶するだろう。

この(ひと)の目は,こんな風に愛らしく緩まないだろう。

パチリ,こなつと目があった。

こなつは泣きそうな顔で,まるで俺を恨むようににこりと笑ったんだ。

ありす,俺は君に恋をして。

また沢山の恐怖を知ったよ。

そんな事は,優しくて綺麗な君には話せないから。

俺はありすに,出来る限りの優しい微笑みを向けた。

もう全部バレてしまって,話してしまったから。

もしこれで君が離れても,その驚いた顔を見られただけで満足なんだ。

言葉を整えて話した俺の過去の記憶,真剣に聞いていた君が,その目を丸くして,俯く。

その可愛い一連の動作が,とてもとても好きなんだ。

そうなんだよ,ありす。