翌朝になると,私はいつもよりほんの少し早く家を出て。
お昼はいつも一緒に来てくれる紗ちゃんがいなくて,代わりに榛名くんとの約束があるからと,図書室へ向かった。
カウンターで先ず借りていた本を通そうと思うと,図書委員がいない。
確かに人の出入りは少ないけれど……
サボってしまったのかしら。
何にせよ,困った。
扱い方は分かる,自分も委員であるから。
だけど,当番でもないのに勝手に触っていいものかと躊躇してしまう。
せっかく来たのに……
これでは明日になってしまう。
今期の図書委員は,1年が敬遠される朝の当番2年が半分に分けられ,3年は全てやりやすい昼休み。
隣のクラスの一層仕事をしたくない男子が,勝手に決めてしまったからだ。
今日は誰だろう……
早見表を見ると,どうやら2年生。
名前までツッ……と視線を滑らせて,私はほっと息を吐いた。
良かった。
今日は榛名くんのクラスなのね。