「もう少し準備に時間がかかりそうなの。それからはい,榛名くんの言ってたDVD各種,見つけといたわよ。これだけであってるかしら? それ選んだり,あとはカードでもしててね」



ずっしりと詰まった箱が1つ,トランプのケースが1つ。

じゃんとかかげたお義母さんは笑った。



「あ,ありがとうございます……」



パタンと目の前で閉じられる。

ふと,入ってきたばかりの頃に置いていた物を見て,私はとても驚いた。



「ねぇ榛名くん……これって,マカロンじゃないの……?」

「そうだね,多分貰い物の一部じゃないかな」

「わっ私,こんなに良いもの……」

「いいんだよ,多分ありすの渡したゼリーのお返しも兼ねてんの。あれ,好きだから。それ返されたくなかったら貰っておいたらいいと思うな,俺」



にこりと作られた笑みに,断ることは出来ない。



「俺もマカロン,すき」



ひょいと,彼はさっそく1つ食べてしまった。

なんだ,自分が食べたかっただけなのね。

肩の力を抜いて,私も1つ頂いた。

冷たいお茶にも口をつける。

ボックスの上にお盆を乗っけて階段を上がってくるなんて,器用だわ。

それでも危ないのだから,せめてお手伝いに降りるべきだったかしら……