⋆⸜꙳⸝⋆
眠れるはずもなく、一晩必死に考えたけど、答えは出てこなかった。寝不足で重たい身体でも、自然と足取りは綱くんの元へと向かう。
空は曇り空でどんよりとしていた。今にも雨が降りそうな空模様だった。
病棟に着くと、いつもよりバタバタと駆け回る看護師さん達の姿が視界に入る。
・・・・誰か、急患かな。
心でそう思うと共に、心臓がドクンと、波打つのが分かった。
もしかして・・・・・。嫌な予感が脳裏を駆け巡る。
不安と動揺で体が硬直してしまう。
「茜ちゃん!」
そんな私に駆け寄ってきた綱君のお母さんの哀しげで気まずそうな顔が、余計に不安を掻き立てる。心臓がドクドクとうるさい。
「茜ちゃん・・・・・。今、話せるかな?」
「なにか、あったんですか?」
「実は、今朝から綱の容態が良くなくて・・・・・。今日は帰った方がいいかもしれない」
「そんな・・・・・」
嫌な予感が当たってしまった。不安と動揺で、立っているのがやっとだった。