――side.Haruto
仕事終わり、携帯を見てギョッとした。
母からの着信が何十件もきている。
何かあったのか……?
「もしもし、母さん?」
「青人っ!!」
「今仕事終わったけど、何かあった?」
「永美里さんが帰って来ないの…っ!!」
「え……」
永美里が……?
「お昼過ぎに出かけてから連絡もつかなくて…!何かあったのではないかと心配で…」
「っ、俺も電話してみる!」
一旦母との通話を切り、永美里の携帯に電話をかけた。
コール音が数回鳴った後、留守電になってしまう。
永美里、どうしたんだ……?
「もしもーし」
「巧!!永美里に会ってないか!?」
「え、永美里ちゃん?会ってないけど、てか今仕事終わったとこなんだけど」
「永美里がいないんだ!!」
「えっ!!」
舞子さんのところか……?
いや、だったら何か連絡してくるはず。
永美里は黙っていなくなることはしない。
やっぱり何かあったんじゃ……。
「僕も探すよ!舞子さんにも聞いてみる!」
「連絡先知ってるのか?」
「この前のパーティーで交換した!」
こういうところ抜け目のない奴だな…。
だけど、巧のコミュ力のおかげで助かった。
「ありがとう、頼む!」