「……っ、ずるい!棗…!!」



「なにが」



「顔が!!あと声も言動も全部…!」

「意味わかんない」





真っ赤になった顔を手で覆えば、今度は耳が赤いなんて耳を触られる。


こんな甘い棗、私知らないです…!!




「結婚しようだの好きだのあんなに威勢の良かったお前はどこいった?」



「そ、それとこれとは…!」



「今後一切容赦しないから、そのつもりで」





そう言って王子様スマイルで私の頬をムニっと引っ張る棗はちょっと楽しそう。


容赦しないって、一体どう言う…




「今日みたいに避けたらどうなるか覚えとけよ」



「ど、どうなるんですか…」



「……まあ、捕まえて泣き叫んでも離さない」

「はぇ…?」




な、殴られ…はしないだろうけど一体何が起こるのでしょうか。