「…………。」


無意識に体が止まった。


「凛……?」

隼人が振り返る。


もう、関係ないのかもしれない。

別に気にしたって、迷惑なのに。


足が進まない。


私が、見てる方を隼人が見る。



真が、女の子と帰っていた。



「早く行こう。」

真の方を横目に、隼人は言う。


ねえ、足が進まないんだ。


「凛っ…。」

隼人が、腕をひっぱる。


「だってっ…。真が……、」


「どうでもいいじゃん、そんな奴。」

「え…?」


「どうでもいいんだよ。
気にしてるだけ、無駄だって…。」


無駄…。


「……忘れろよ。」

隼人が小さな声で言った。


私は、黙って首を横に降る。


忘れるなんて、できない。

できるはずがない。


「……忘れたくないっ…。」