「……え?」

隼人が言う。

「………ごめん…。」

自分が言った事に気づいて、裾を離した。


「いいよ、あんな奴。
…ってか、サボらない?」

隼人が笑って言う。

「……いいの…?」

「うん。」

そう言うと、手を取られ教室を後にした。


それから、どこに向かうかも分からず。

ただ、隼人の後に着いて行った。

下を向いて歩いていると、隼人が立ち止まった。


「いてっ…。」


いきなり立ち止まったから、ぶつかった。


「あ、ごめんっ…。」

隼人が、手を離した。


手……。

無意識に許していた。


「……大丈夫だよ。」

私は言う。

「…泣いてる。」


そう言われて、目元をなぞる。

本当だ。