それと入れ違いに入ってきたのは。


「お邪魔しまーすっ!」

真だった。

「…………。」

本当に来るとは、
思ってなくて声が出なかった。

「………久しぶりっ!」

真が言った。

私は、黙って頷く。

「……携帯見てる?
俺、毎日メールに電話してたしっ!

…返事ぐらいくれてもよくない!?
心配した…。」


「………え?」

また、びっくりしてしまった。

「……ごめんっ。」

真が泣いていた。

「……なんで…。」

なんで、真が泣くの?

泣きたいのは、私の方だよ。

もう、疲れた。


「…裕貴から、聞いたから…。」

真が言った。

「…痛かっただろ?」

そう言って、頭を撫でてくる。

もう、大丈夫…。