「大丈夫だから。
さよーなら。」
そう言って、
教室に戻ろうとすると…、
「…待ってっ！」
真に腕を掴まれた。
「…俺、誰にも言わないし。
大丈夫だから…。」
真が言った。
「…何？」
「だから…、
なんかあったんなら言ってって事っ！」
「何にもない。」
「…ある。絶対、ある。」
「ないってばっ！」
私が言った。
「…別に、
強がんなくてもいーじゃん。」
真がそう言って、頭を撫でてきた。
「な…に。」
「泣きたいなら、泣けばいいでしょ？」
真が優しく言ってくれた。
「……だって…っ。」
その日、裕貴に暴力振るわれてから、
初めて泣いた。
なんで、我慢してたんだろう。
こんなに苦しかったのに。
こんなに痛かったのに。
