「……ごめん。」
そう言って、スゴい頭を深く下げられた。
「……え……?」
「家、探したんだけど分かんなくてさ…。
早く謝りたくて…。
本当にごめん。」
真は、また頭を下げる。
「……いや…、いいよ。
大丈夫大丈夫…。」
私が言った。
「……俺のせいだし…。
ごめん。」
「いいってば…。」
「…ごめん…。」
何回謝るんだろう。
真がそんなに謝っても、
傷が癒されることはないから。
無駄なごめんは、使わない方がいい。
「もう、謝んないで。」
私は、そう言って
また学校に向かって歩き出した。
…真は、知らないんだ。
あの日の放課後、裕貴に会って。
あんなに暴力をふるわれた事を。