「なっ……。」

怖かった。

けど、まず最初に言わなきゃ…。


「…あの…、ごめんなさい…。」

私は、頭を下げた。

涙が落ちる。

許してくれないのかな…。

もう、振られるんだ…。


「いや。俺も、悪かったよ。」

「え……。」

私は、頭を上げた。

……おかしいよ…。

あまり、
裕貴の顔を見る事ができなかった。

けど、顔には真から殴られて
痛々しい痣ができていた。

「……だ、大丈夫…?」

私が傷跡を見て言った。

「あぁ…。うん。」

裕貴が言う。


優しいはずなのに…。

震えが止まらない。

「そんな心配しなくても、
大丈夫だよ。」

そう言って、
裕貴の手が伸びてきた。