結局、その日。

2人は、教室に戻って来なかった。

もちろん、先生の話なんて頭に入らず。

裕貴と真の事で、必死だった。


今にも、溢れ出しそうな涙を抑えて。

1人で、帰っていた。


下を向いて帰っていた時。

「いてっ…。」

誰かにぶつかってしまった。

顔を上げて、その人を見て私は固まった。

「……ゆう…き…。」



震えが止まらなかった。

あんなに怒っていたのに。

絶対、怒ってると思ってたのに…。


「…待ってた。」













おかしいぐらいに笑顔の裕貴がいたから。