思い出したくなかった。

忘れていた。


忘れてる

つもり

だったのに。


あの夢を見る度に。

あの夢にうなされる度に。

頭から離れない。


私は、きっと。

あの過去に引きずられながら、
生きなきゃいけないんだ。


一生。


そう思うと。

気が重くなる。



静まり返った食堂で。

もくもくとご飯を食べる。


私のせいで。

空気を害してしまった。


周りを見ると。



おとこ

オトコ


なんで、私は一番嫌いな物に
囲まれているんだろう。


箸が揺れる。

正確に言うと。

手が震えている。