なんだ。 声でるじゃん。 「最初から、謝ればいいし。」 棗君が言った。 確かに。 最初から、謝れば良かった。 私が悪い。 けど。 ――ごめん。 このたった一言を言うのに。 私は、スゴい時間がかかる。 ――ふざけんなよっ! ――ごめんなさいっ。ごめんっ! 許してっ…! あの時は。 あんなに謝っていたのに。 正確に言うと。 謝る事しかできなかった。 あの時は、必死で。 謝れば済むと思っていた。