……え。

この人、耳大丈夫…?

そう思って、2人のやりとりを見ていた。


「……とって。」

棗君が私に言った。

コーラは、私の近くにあった。

私が黙ってコーラをとる。

「…はぃ。」

小さな声でそう言った。

「ん。」

そう言って、
私からコーラを取ろうとした。


――ドンッ!


コーラが落ちた。


手が触れて。

思わず、手を引っ込めたら滑ってしまった。


「はぁ…!」

そう言って、机から落ちたコーラを拾う棗君。

「…ぇ…。」

なんも言えない私。