「そうだな」

俺がそう相槌を打つと、何を思ったのか、

春日は少し表情を暗くしてまた口を開く。

「お母さんに、心配かけたくなかったんだけど

なぁ……」

「……そうだな」

手持ち花火の光が春日の顔に影を作って、

いつものニコニコとした春日とは違って、

どこか儚い雰囲気を醸し出している。

そんな春日を手放さないように、そんな

言葉で繋ぎ止める。

でも———。

「ごほっ、ごほごほっ」