この教室で、
出会った子どもたちもそのうち、
ぼくのことを忘れていくのでしょう。

でも、きっとそれでいいんです。 

人間を恨んではいけません。

悲しんでもいけません。

ぬいぐるみと人間は違うんですから。

ただ、
ぼくだけが覚えていればいいのです。

ぼくはこれから先も
ずっとここにいるのでしょう。

それは、それで幸せだと思います。

でも、いつか、もう一度、
人間の腕に抱かれたいと思うのです。

ぬいぐるみは置き物ではありません。

ぬいぐるみは、
誰かの腕に抱かれて、
温もりを感じているときが
いちばんの幸せなのですから。