彼女はぼくの入ったダンボール箱を
持ち上げて、どこかに運んでいきました。
「ワゥン、ワゥン」
彼女を呼ぶ鳴き声が聞こえてきました。
「遊んであげるから、ちょっと待っててー」
彼女は優しそうな声で返事をしました。
ホンモノは今も一緒にいるんだ、
とわかりました。
ぼくはホンモノにお願いをしました。
ぼくに代わって、
これからもずっと彼女を見守ってください、と。
ぼくは、
もうすぐゴミになって消えていきます。
彼女の着ていたたくさんの服と一緒、
だから、こんなに幸せなことはありません。
でも、どうしてなんでしょう、
「もう一度、とびらを開いて」
と心で叫んでいたのです。
持ち上げて、どこかに運んでいきました。
「ワゥン、ワゥン」
彼女を呼ぶ鳴き声が聞こえてきました。
「遊んであげるから、ちょっと待っててー」
彼女は優しそうな声で返事をしました。
ホンモノは今も一緒にいるんだ、
とわかりました。
ぼくはホンモノにお願いをしました。
ぼくに代わって、
これからもずっと彼女を見守ってください、と。
ぼくは、
もうすぐゴミになって消えていきます。
彼女の着ていたたくさんの服と一緒、
だから、こんなに幸せなことはありません。
でも、どうしてなんでしょう、
「もう一度、とびらを開いて」
と心で叫んでいたのです。