晩御飯の時間になると、、、

目を少し腫らしたまま、
みおがゆっくりと降りてきました。

みおが何かを思い出したこと、
それが原因で泣いていたこと、
お父さんにはすぐにわかりました。

でも、もう何も聞きませんでした。

「お父さん、お願いがあるの」

みおが弱々しい声で言いました。

「どうした?」

「そのダンボール箱は捨てないで」

「わかった。じゃあ、置いておこうか」

「ううん、わたしより大切にしてくれる子にあげて欲しい」

「そうだな、じゃあ最後にもう一度、見ておくか?」

と言ってお父さんが、
ダンボール箱を開こうとすると、

「いや、今はムリっ、顔なんて合わせられないもん」

みおは首を振って、

「わたしが大人になったら、また会いたい」

はっきりした口調で言いました。