「では、
 来週また。」


 笑って送り出すカウンセラーに
ローズも少しだけ微笑み、診療室をあとにした。

待合室では、
長椅子に座り
足をぶらぶらさせながら、
楽しそうに雑誌をめくる娘
メリーアンが待っていた。


「いつも悪いわね。長く待たせて

 どうしても、
 思ったより時間が長く
 かかってしまうの

 気をつけても


 さあ、
 お腹も空いたし!

 食事と、ショッピングに出掛げ
 ましょう。
 ご馳走するわ!!」


 メリーアンは母親を見上げ
にこりと微笑み、
読んでいた雑誌を放り投げ思いっきりよく立ち上がった。

そうして
母親の腕に抱きつき、軽くハミングしつつ、
ふたりは賑やかな街へと、吸い込まれて行った。