その5
真樹子
ふう…、そこまで読んでいたのね、麻衣さん
逆に言うと、横田は麻衣さんの読み通りのことを、さっきの墨東との折衝時に織り込んていたのか…
そうだとしたらあのカモシカ…、やはり脅威だわ
何としても潰すべき相手ってことよ…
...
「麻衣さん…、結局、どうしても真っ向からぶつかりたかった相手だったのね、横田と言う女は…」
「そうですね。でも、みんなカン違いしてもらっちゃ困るけど、カモシカを引っ張り出す目的だけで、荒子さんをさらったり矢吹&湯本を除去して、南玉が誰も来ない状況に持っていこうと考えたんじゃないからね。私は刻限が過ぎても横田が一人で戦ってる最中、誰が駆け付けるか楽しみにしてるんだ」
この時、私もそうだが、みんなも麻衣さんに対して、それ本当なのって気持ちが働いたと思う…
「…私の予想だと、今頃南玉の総意決議は火の玉乗り込みにはなっていないと思う。そうなればだよ、ここにくる連中がいるとすれば、その人間は各々の信条と意志によってってことだよ。基本は南玉の精神を死なせたくないと、体を張る覚悟を持った女たちだよね」
「…」
もうみんな、麻衣さんの言葉に引き寄せられるように、前のめりになってた
...
「…だからね、祥子。怪しい大根役者はさ、矢吹、湯本を含めた南玉の為に体を張ってここに来であろう、南玉メンバーには差し向けていないんだ。大根役者さんたちの起用はさ、むしろ南玉の彼女らを他の協力部隊より早く到着させたいとの願いからってことなんだわ」
麻衣さん…!
「麻衣ー!お前って奴は…」
祥子は立ち上がって、麻衣さんの肩を揉んでるよ(苦笑)
「…もうひとつ聞いて、祥子。今話した延長ならさ、カモシカの為に荒子さんを除外した訳じゃない…。”あの人”はカモシカと同じくらい真正面からぶつかりたいと願っている焦がれてる相手なんだ。それは、今日のことを踏まえて、後日、逃げないでしっかりやる…」
私はこの時ほど、麻衣さんの有言実行の神髄を感じたことはなかったわ…
...
「…久美、静美、今の麻衣さんの言葉、よく噛み砕いときなさいよ。あの赤い狂犬からしたら、このシチエレーションに持ち込まれて、足の骨を折られたのよ。その怒りと憎悪は想像に余るわ。そんな烈火のごとき怒りを抱えた狂犬から、麻衣さんは逃げないで正面に立つと言いのけたのよ。この去就、私たちは見届けなきゃね…」
久美と静美は、すでに涙をこぼしていた…
麻衣さんの持つギリギリ感とは、ここまでも凄まじいものだったのか…
私は右内腿の、彼女と交した契りの”明かし”を摩りながら、かの相和会をも巻き込んだ、この一大オペレーションのクライマックスを直前にして鳥肌を立てていたわ
真樹子
ふう…、そこまで読んでいたのね、麻衣さん
逆に言うと、横田は麻衣さんの読み通りのことを、さっきの墨東との折衝時に織り込んていたのか…
そうだとしたらあのカモシカ…、やはり脅威だわ
何としても潰すべき相手ってことよ…
...
「麻衣さん…、結局、どうしても真っ向からぶつかりたかった相手だったのね、横田と言う女は…」
「そうですね。でも、みんなカン違いしてもらっちゃ困るけど、カモシカを引っ張り出す目的だけで、荒子さんをさらったり矢吹&湯本を除去して、南玉が誰も来ない状況に持っていこうと考えたんじゃないからね。私は刻限が過ぎても横田が一人で戦ってる最中、誰が駆け付けるか楽しみにしてるんだ」
この時、私もそうだが、みんなも麻衣さんに対して、それ本当なのって気持ちが働いたと思う…
「…私の予想だと、今頃南玉の総意決議は火の玉乗り込みにはなっていないと思う。そうなればだよ、ここにくる連中がいるとすれば、その人間は各々の信条と意志によってってことだよ。基本は南玉の精神を死なせたくないと、体を張る覚悟を持った女たちだよね」
「…」
もうみんな、麻衣さんの言葉に引き寄せられるように、前のめりになってた
...
「…だからね、祥子。怪しい大根役者はさ、矢吹、湯本を含めた南玉の為に体を張ってここに来であろう、南玉メンバーには差し向けていないんだ。大根役者さんたちの起用はさ、むしろ南玉の彼女らを他の協力部隊より早く到着させたいとの願いからってことなんだわ」
麻衣さん…!
「麻衣ー!お前って奴は…」
祥子は立ち上がって、麻衣さんの肩を揉んでるよ(苦笑)
「…もうひとつ聞いて、祥子。今話した延長ならさ、カモシカの為に荒子さんを除外した訳じゃない…。”あの人”はカモシカと同じくらい真正面からぶつかりたいと願っている焦がれてる相手なんだ。それは、今日のことを踏まえて、後日、逃げないでしっかりやる…」
私はこの時ほど、麻衣さんの有言実行の神髄を感じたことはなかったわ…
...
「…久美、静美、今の麻衣さんの言葉、よく噛み砕いときなさいよ。あの赤い狂犬からしたら、このシチエレーションに持ち込まれて、足の骨を折られたのよ。その怒りと憎悪は想像に余るわ。そんな烈火のごとき怒りを抱えた狂犬から、麻衣さんは逃げないで正面に立つと言いのけたのよ。この去就、私たちは見届けなきゃね…」
久美と静美は、すでに涙をこぼしていた…
麻衣さんの持つギリギリ感とは、ここまでも凄まじいものだったのか…
私は右内腿の、彼女と交した契りの”明かし”を摩りながら、かの相和会をも巻き込んだ、この一大オペレーションのクライマックスを直前にして鳥肌を立てていたわ