その4
麻衣



あれー?

土手上、剣崎さんじゃん!

はは、能勢さんも来てら…

どうやら会長に言われて、監視兼見物に来たんだな…(笑)

なんだよ…、土手に座って缶ビール飲んでるわ

草野球の試合でも観戦に来てるノリですな(苦笑)


...


「みんなー!」

「おー、久美、遅かったじゃん!」

はは…、久美は相変わらず立ち直りが早いや

真樹子さんも”妹”をさりげなく気づかってるし…


...


そんで、こっちはこっちで、師弟愛もろ出しだし‥

「静美…」

「祥子さん…、私…」

「ああ、何も言うなって」

「さっき、久美さんには謝っておきました。やっぱり自分、考えが至らなかったっすよ。とても久美さんみたいにはできません」

「ハハハ…、久美のあのナチュラルさは持って生まれたもんだからさ。逆に、お前は違った面を備えてる。麻衣はそれを十分踏まえて、今日二人を試したんだ。まあ、じっくりでいいって。今日次第で、またウチらを取り巻く状況は変わるだろうしな…」

「でも…、私はこれからも祥子さんに付いていたいっす」

なんちゅう臭い会話だよ、アイツら(苦笑)


...


さー、私の指定した時刻は迫ってきてるわよ

まだ、あっちはスポ根二人組だけじゃん

はてはて…

いずれ紅組と墨東OBの部隊は駆けつけるってのに、南玉さんはキャンセルですかね…

私はもうスタンバイ完了よ…