その6
麻衣



「…」

「静美、シャキッとしろって!合田総長は湘南から南玉に戻る前に、何者かに拉致された。それで、巷は何とウワサしてるんだ!」

「…合田総長は…、ほ、ほ、骨を…」

バシーン!

今度はこぶしでぶん殴ってやったわ

「テメー!総長前にして見苦しいマネさらすな!はっきり申し上げろって!」

「はい!合田総長は足の骨を折られたという噂になってます!すいません、総長…。うっ…、うっ…」

静美は言い終わる前に、膝を落とし、泣き崩れた…


...


「静美さんー!」

何人かがその静美に駆け寄ってるわ

「総長…、そういうことになってるそうです…」

「貴様…!!自分を慕う仲間になんて残酷なことを…。許せんー!!」

「先輩らしくないっすよ、そんなセンチな言葉。…改めて申し上げます。私は荒子総長のお考えを信奉しています。よって、半端なマネでは礼儀を欠くと判断してますんで…。徹底的にやらさせてもらいます」

「うぐっ、うぐっ…!!」

狂犬はもの凄い形相で歯を食いしばって私を睨みつけてるが、私に変更はないさ…

「おい…、金属バット持ってこい!」

一同、シーンだ…

当然だわな


...



「テメーら、ボケッとすんなー!早くもって来いって!」

「麻衣…、何をするのよ…!!」

久美のヤツ、恐る恐る私に尋ねてきたわ

「せっかくのウワサだ。ホントの話にして差し上げるんだ」

「やめて!!麻衣…、やめて、そんなこと…」

全く、久美のリアクションはわかりやすすぎるって(苦笑)

では、久美…

みんなにやらせかと勘繰られるだろうからさ、この後はリアルに頼むぞ…(笑)