その4
麻衣



「麻衣さん、お疲れ様です!」

「お疲れ…」

「ほんごう…!貴様…!!」

「こんばんわ、総長…」

赤い狂犬は椅子に縛り付けられている


...


「静美と久美はまだか?」

「もうすぐ到着すると思います…」

「…麻衣さん、早かったね。今日はお疲れさまです」

勝田さんだ…

「…勝田さん、今日はご苦労様です。ええと、ちょっといいですか…」

私は勝田さんを外に連れ出し、今後の”段取り”を確認した


...



「…了解しましたよ。まあ、うまくやりましょう」

「すいません…」

何と言っても、今夜の事後処理には、”プロの大人”による力添えが不可欠だ

だから、勝田さんには事前にね…


...


ここでまず久美が到着した

「ああ、麻衣、遅くなっちゃった。はは、お疲れ様…」

「久美、山間大橋はいい経験だっただろ?」

「うん、そりゃあ、凄かったよ。何て言ったって…、あっ…、静美だ!」

ふふ、面子は揃ったわね…

...


「遅くなりました!」

「静美、そっちはどうだった?」

「ええ、まあ…」

この二人…、全く対照的だよな

だが今、こいつらは最も確執を抱えてる仲だし、お互い一番意識してる相手になってるんだろう

という訳で、今日の余興ってことなんだな

で…、そんなお前らに試金石を与えてやるからさ


...



さっそく廃倉庫内に入ると、二人は案の定の反応だった

「総長…!!」

「…!!」

ハハハ…

さすがに耳には入ってても、実際、捕獲された狂犬を目の当たりにしてビビってるわ、二人とも(苦笑)

「麻衣…、どうするの?…これから」

「…総長にはまずこちらの話を聞いてもらって、それからだ」

「本郷、テメー、堂々と勝負できねーのか!!クソ野郎めが!」

本物だ…

この迫力、気迫…

惚れ惚れするよ…


...


でも、すいません…

今夜は、あなたにはおとなしくしていてもらわないと困るんです…

という訳で、始めますよ


...


「総長、まずは昨日の報告をさせてもらいます」

「バカヤロー!そんもんいいから、早く縄ほどけ!この場でぶっ殺してやる!”」

すごい剣幕だ…

こんな廃倉庫でここまでがなり立てた人、いないでしょーね(苦笑)

ふふ‥、この場にいる8人全員、ブルってるし