その2
夏美
まさか、こんなことになるなんて…
午後6時25分…
のん子との電話で、私は決断した
...
「…」
「先輩‥、大丈夫ですか!」
「…うん。のん子、今の言葉…、もう一度言ってくれる?」
「はい。…現段階では、あくまで巷の噂です。…荒子が拉致されて、足の骨を折られたと…」
「…」
「先輩!とにかくこっちに合流して下さい。ルーカスには1年を行かせますから…」
「でも私…、昨日で南玉を去った人間だし‥」
「今は、そんなこと言ってる場合なんかじゃありませんよ!…先ほどからウチの倉庫では、真澄先輩がしきりにキャビネットをクッションにした”ヤツら”との合意案を持ちだして、さかんに熱弁振るってるんです…」
真澄のヤツ…
いい加減、勘弁しろって!
...
「…さすがにこういう状況なんで、何人かは折れそうなんです。真澄先輩、ここに来てない連中からも数名の同意を取ってきてて…。いづみはあくまで多数決の結果であればって姿勢です。先輩に来てもらわないと、もう雪崩を打つかもしれませんよ。鷹美とあっこもいなんだし!」
電話口の向こうで、のん子は泣き崩れそうだった…
「…わかった。1年が来たらすぐそっち行くわ。その間は絶対に決とっちゃダメよ!」
「はい、待ってますから!」
荒子、そして鷹美とあっこがこの土壇場で欠けてるのは偶然じゃない…
これは本郷の周知な手回しによって及んだことだ
クソッ…!!
今の私たちはヤツの掌に乗せられているのかよ!
夏美
まさか、こんなことになるなんて…
午後6時25分…
のん子との電話で、私は決断した
...
「…」
「先輩‥、大丈夫ですか!」
「…うん。のん子、今の言葉…、もう一度言ってくれる?」
「はい。…現段階では、あくまで巷の噂です。…荒子が拉致されて、足の骨を折られたと…」
「…」
「先輩!とにかくこっちに合流して下さい。ルーカスには1年を行かせますから…」
「でも私…、昨日で南玉を去った人間だし‥」
「今は、そんなこと言ってる場合なんかじゃありませんよ!…先ほどからウチの倉庫では、真澄先輩がしきりにキャビネットをクッションにした”ヤツら”との合意案を持ちだして、さかんに熱弁振るってるんです…」
真澄のヤツ…
いい加減、勘弁しろって!
...
「…さすがにこういう状況なんで、何人かは折れそうなんです。真澄先輩、ここに来てない連中からも数名の同意を取ってきてて…。いづみはあくまで多数決の結果であればって姿勢です。先輩に来てもらわないと、もう雪崩を打つかもしれませんよ。鷹美とあっこもいなんだし!」
電話口の向こうで、のん子は泣き崩れそうだった…
「…わかった。1年が来たらすぐそっち行くわ。その間は絶対に決とっちゃダメよ!」
「はい、待ってますから!」
荒子、そして鷹美とあっこがこの土壇場で欠けてるのは偶然じゃない…
これは本郷の周知な手回しによって及んだことだ
クソッ…!!
今の私たちはヤツの掌に乗せられているのかよ!