その4
ケイコ
「多美、確か墨東会は分散して火の玉に向かうって言ってたよね?」
「ああ、相川先輩が嵯峨さんにそう聞いたって。おけい、それなら…」
「うん。久保原さん、南玉のメンバーには墨東会の何人かは火の玉川原に来るっはずだって伝えて。あの人たちはあくまで立会いになるけど、もし相手が卑怯な真似をして来れば、私達側で手助けしてくれるはずだよ。そのことをしっかり理解してもらって。彼らが来てくれて、南玉が来なかったら話にならない。そうでしょ!」
私は初対面の彼女に、もう凄いテンションで訴えていたわ
...
「…わかった!先輩らにはそこんとこ、よく訴える。積田さんも必ず誰かは火の玉に寄こすからって、そう言ってくれてたし」
「よし!クッキー、気合入れて頼むぞ。私らは先に本郷へ宣戦布告してるからよ」
久保原さんは大きく頷き、急いでバイクに跨った
「…多美、ようやく本郷麻衣の本心が見えたよ。荒子さんは多分、戻れない。矢吹さんと湯本さんも足止めされる。その中で南玉がどう出るか…、それを試す気だ。さらに”今夜の火の玉川原”をさ、界隈で公にして他県にも発信できる舞台にしてる。だから部隊としてでなければ、墨東会の人が来てくれた方が、かえってヤツらには好都合なんだ。それを見越して、相和会を使ったんだ。元墨東傘下の岩本一派に回れないだけのダメージを与える程度で留めて。あえて、積田さんにまでは手を出さずに…」
「アイツ、そこまで計算して相和会を回したのか!…おけい、なら、仮に南玉が誰も火の玉川原に向かわなきゃ、それって…」
「ああ、南玉連合は崩壊だよ。私は本郷を倒すことだけを考えてきたけど、今は違うぞ。絶対、南玉は潰させない。そんなこと、死んでも阻止だ!」
「おけい!ありがとう…」
多美は両手で私の右手を強く握ってきた…
...
「じゃあ、急ごう!」
「おう…」
この時、私の発熱はもはやマックスに達していた
その熱は、手にしてるテーピングを纏ったステンパイプにも伝わるのが体感できるくらいだったよ
本郷、ぶっ殺す気でやるからな!
ケイコ
「多美、確か墨東会は分散して火の玉に向かうって言ってたよね?」
「ああ、相川先輩が嵯峨さんにそう聞いたって。おけい、それなら…」
「うん。久保原さん、南玉のメンバーには墨東会の何人かは火の玉川原に来るっはずだって伝えて。あの人たちはあくまで立会いになるけど、もし相手が卑怯な真似をして来れば、私達側で手助けしてくれるはずだよ。そのことをしっかり理解してもらって。彼らが来てくれて、南玉が来なかったら話にならない。そうでしょ!」
私は初対面の彼女に、もう凄いテンションで訴えていたわ
...
「…わかった!先輩らにはそこんとこ、よく訴える。積田さんも必ず誰かは火の玉に寄こすからって、そう言ってくれてたし」
「よし!クッキー、気合入れて頼むぞ。私らは先に本郷へ宣戦布告してるからよ」
久保原さんは大きく頷き、急いでバイクに跨った
「…多美、ようやく本郷麻衣の本心が見えたよ。荒子さんは多分、戻れない。矢吹さんと湯本さんも足止めされる。その中で南玉がどう出るか…、それを試す気だ。さらに”今夜の火の玉川原”をさ、界隈で公にして他県にも発信できる舞台にしてる。だから部隊としてでなければ、墨東会の人が来てくれた方が、かえってヤツらには好都合なんだ。それを見越して、相和会を使ったんだ。元墨東傘下の岩本一派に回れないだけのダメージを与える程度で留めて。あえて、積田さんにまでは手を出さずに…」
「アイツ、そこまで計算して相和会を回したのか!…おけい、なら、仮に南玉が誰も火の玉川原に向かわなきゃ、それって…」
「ああ、南玉連合は崩壊だよ。私は本郷を倒すことだけを考えてきたけど、今は違うぞ。絶対、南玉は潰させない。そんなこと、死んでも阻止だ!」
「おけい!ありがとう…」
多美は両手で私の右手を強く握ってきた…
...
「じゃあ、急ごう!」
「おう…」
この時、私の発熱はもはやマックスに達していた
その熱は、手にしてるテーピングを纏ったステンパイプにも伝わるのが体感できるくらいだったよ
本郷、ぶっ殺す気でやるからな!