その11
麻衣



荒子イズムの浸透で、猛る女たちは一斉に目覚めてわ

そのウェーブは、水面下でもう止めることができないくらい大きくなっていた

それを目に見えないところで、押しとどめていた紅丸さんが去った…

その途端、一気に”局面”は動いたんだ…

従って、ここに来て再編に向かったのはごく必然だったのよ

そんなみんなの燻ってた思いの持って行先が一つだったってことが、今のアンコウの言葉で痛感したって

...


そりゃあ、私のやり方は無茶苦茶極まりないものだったよ

だけど…、そうまでしなきゃガラガラポンまでは行き着かなかったでしょ

あの片桐さんと三田村さんをくっつくけることなんてさ、みんな、想像すらできなかったはずだし

結果的に、この私が行動を起こさなかったらさ、表面をつくろう程度のその場しのぎで終わっていたよ

そんなショボいムーブメントじゃなかったからこそ、南玉の抱え続けてきた”膿”をあからさまにできたのよね

年代の離れたOB・OGの影響力を空気のようにとらえ続けてきた惰性心、時代を捕えた荒子イズムと、紅丸さんの赤塗り理念を盲信した正統南玉路線との溝…

ひたすら内部対立が高まっていたところに、今回、私の一撃よ

で…、自己矛盾を放置し続けたままの奢った南玉連合が、今まさに無様な本当の姿があからさまになったってこと

フン…、留まるところ、これからどうするか、どなるかだって!

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その場合、都県境の針路を先導するのは、なんだかんだ言っても南玉連合になる

その南玉がどんなかじ取りをしていくことになるか…

それを今夜、決するのよ

当然、力を以って…