その8
真樹子



「…じゃあ麻衣さん、申し合わせの通りでね…」

「ええ、真樹子さんは今日、分単位の行程になるけど、キャビネットの”打ち込み”はまあ、儀式程度ってところですし、あまりキバんなくていいですからね。メインは夜の墨東会阻止で頼みます。何しろ、相手は”男”ですから(苦笑)」

「はは…、でも、今夜の勝負は口でだしね。要は時間稼ぎに徹することは心得てるから、まあ任せて」

「頼もしいわ、いつもながら。ただ、積田さんとの仲はせっかくだから、うまくやってくださいよ(笑)」

「ふふ…、お心遣いありがとう、麻衣さん。その辺はよしなに持っていくわ。ただ、高本は当然それなりに出るだろうから、そっちにはアツくなるでしょうけどね。なんて言ったって、先日のリエのことが頭にあるからさ、どうしてもね…(苦笑)」

麻衣さんは苦笑いしてたわ…


...


「ええと、あと久美か…。中央公園で合流して、私が墨東と向き合う前までは私と一緒でいいのね?」

「ええ。その後、適当に2、3人付けて例の廃倉庫へ向かわせてください。祥子には、同じ場所に静美を寄こすように告げてありますんで」

麻衣さん、ちょっとニヤリとしてたわ

まあ、”そこ”で、概ね何をやるかは想像がつくが、ここは聞かないでおこう…

余分なこと聞いちゃうと、やっぱり口出ししたくなっちゃうもんね

我が妹にはどうも甘いからな、私…(苦笑)


...


さー、今日は私たちにとってのレジェンドを刻む日になるわ

私は総勢47人の待つ高原広場に急行だ…