その5
麻衣



おお…、今夜の”粉”、効き具合ハンパないわ

久々に瞳孔開いてぶっ飛んでる…


...


今夜の剣崎さん…、電話口で盛んにクスクス笑っていたな

本当にやりやがったのか、お前って…(苦笑)

そんな胸の内が聴こえてきたって、はは…

倉橋さんも思いのほか、張り切ってくれて、私嬉しいや

あの人、もしかしたら相馬会長や私みたいな”イカレ”の血が流れてるのかも…

ふと、そんな思いが巡ったわ

なにしろ、黒沼高校襲撃の際、警察への目くらましで発砲騒ぎまで起こしてくれたんだもん…

フツー、しないって(爆笑)


...



他の人なら、トップ直々のミッションだって嫌がるよ

ションベン臭い女子高生の”打ち込み”に過ぎないのに、大の銀バッチを何人も駆り出して、下手すりゃポリにパクられんだもんね

それを、下の人はともかく、陣頭指揮の倉橋さんは一切手抜きなしで、目を輝かせて遂行してくれちゃって

ありがたいわよ、こんな小娘の座興に行き合ってくれてさ

その上、夜会ったら、あの人…、「麻衣ちゃん、今日は楽しかった。アハハハ…」だって(笑)

倉橋さんはいいわ

あの首の火傷だけじゃなくて、あの人全体で好きになりそうだ、はは…


...


さーてと…

明日の今頃は、どんななってんのかなあ…

一応、私にとって大きな区切りにはなる

それは間違いないところだが…

また、それ終えちゃうと、自分へのけしかけるものを失って、急に恐くなっちゃうんだよな…

いつも…

私、終わっちゃうのかよって…

まあ、実際は終わらないんだけど、私はひとつ何かをやり遂げた後は、充実感よりも、むしろ目の前にあったものの喪失感に漬かっちゃうんだ

これは一種の”病気”だと、幼い時分からずっと思い続けてきた

でも相馬さんと出会って、私の”イカレ”は病ではなく、素養だと気付かされた

へへ…、明日は、それを爆発させてきた成果を”私の主”ともども一緒に、全身全霊で感じてやるぞ!

まず午前中、同時進行で宣戦布告となる