その2
多美代
おけいとの電話を切った後、私は再び病室に向かった
テツヤにおけいのこと伝えると、ニコニコしててなんか心が和んだわ
おけいとテツヤは今でも、心が繋がってるんだと感じる
この二人には、また元のアツアツの仲に戻ってもらいたいな…
...
私が戻ってしばらくすると、テツヤのお兄さんである南部聖一さんが駆け付け、入れ替わりに矢吹さんと湯本さんは病室から引き揚げた
両先輩にはおけいの意向も伝えたが、お二人の表情からは、心中こみ上げるものありと感じたよ
おそらく、南玉の人間じゃないおけいが、どれだけ南玉と都県境のことに心を砕いているのか…
これはもはやアイツを知る人間なら、みな承知してることだろう
横田競子は事実上、紅丸さんの理念を継承した同志なんだよ!
...
「そう…、ケイコがそんなことを…」
おけいとの話を相川先輩に伝えると、先輩、目を細めてどこか思いつめたような顔になっていたな…
「あの子には、本郷のような危険な相手とは関わりを持たせたくなかったけど…、なんとなくあの二人、磁石に吸い寄せられるような関係に思えてね…」
「先輩…」
「とにかく明日は動きがあると見て、ケイコとは一緒に頼むわね。私はあくまで南玉外の立場として、ミキさんや南部さんとあなた達の後ろに控える。だから、どうしても前面には南玉がね…。鷹美もなんとか思いとどまってくれたようだし」
ここでテツヤが、タイミングを見諮ったかのように口を開いたんだけどね…
「あのさ…、本郷麻衣とのタイマンを想定したおけいに、実践レクチャーしたのは、ここにいるみんなも承知してることだけど、状況次第じゃ、明日、おけいはヤツとやる気だよ。夏美さんも兄貴も、その辺りは含んで明日の想定を描いて欲しいんだ」
テツヤは実にストレートな提案をしてくれた
確かにおけいはその気だ
一方の麻衣も南玉の枠外にいるおけいに対しては、ひと際燃えるものを言抱いているようだし…
ひょっとすると、テツヤのカンは的中するかもだ
多美代
おけいとの電話を切った後、私は再び病室に向かった
テツヤにおけいのこと伝えると、ニコニコしててなんか心が和んだわ
おけいとテツヤは今でも、心が繋がってるんだと感じる
この二人には、また元のアツアツの仲に戻ってもらいたいな…
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私が戻ってしばらくすると、テツヤのお兄さんである南部聖一さんが駆け付け、入れ替わりに矢吹さんと湯本さんは病室から引き揚げた
両先輩にはおけいの意向も伝えたが、お二人の表情からは、心中こみ上げるものありと感じたよ
おそらく、南玉の人間じゃないおけいが、どれだけ南玉と都県境のことに心を砕いているのか…
これはもはやアイツを知る人間なら、みな承知してることだろう
横田競子は事実上、紅丸さんの理念を継承した同志なんだよ!
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「そう…、ケイコがそんなことを…」
おけいとの話を相川先輩に伝えると、先輩、目を細めてどこか思いつめたような顔になっていたな…
「あの子には、本郷のような危険な相手とは関わりを持たせたくなかったけど…、なんとなくあの二人、磁石に吸い寄せられるような関係に思えてね…」
「先輩…」
「とにかく明日は動きがあると見て、ケイコとは一緒に頼むわね。私はあくまで南玉外の立場として、ミキさんや南部さんとあなた達の後ろに控える。だから、どうしても前面には南玉がね…。鷹美もなんとか思いとどまってくれたようだし」
ここでテツヤが、タイミングを見諮ったかのように口を開いたんだけどね…
「あのさ…、本郷麻衣とのタイマンを想定したおけいに、実践レクチャーしたのは、ここにいるみんなも承知してることだけど、状況次第じゃ、明日、おけいはヤツとやる気だよ。夏美さんも兄貴も、その辺りは含んで明日の想定を描いて欲しいんだ」
テツヤは実にストレートな提案をしてくれた
確かにおけいはその気だ
一方の麻衣も南玉の枠外にいるおけいに対しては、ひと際燃えるものを言抱いているようだし…
ひょっとすると、テツヤのカンは的中するかもだ