黒淵くんが足をとじて、上半身をこっちに向けてくれた。顔は分からないけど、それだけで嬉しかった。


「いだっ。な、何する…の…!」

と思ったら勢いよくおでこにデコピンをされて、痛みで顔をあげた。

上げてしまったら、見たことないくらい、優しい顔をした彼がいた。


「……別に。迷惑とは言ってないだろ。」



私が呆気にとられていると黒淵くんはデコピンした手をそのまま私の頭に置いた。

黒淵くんの、手の重みが頭から伝わってきて、私は頭はもう色々オーバーしていた。


やばいやばい、今黒淵くんにあたま、頭に手が…!

体育の時といい、今日はいつにもましてドキドキする。本日2度目、今度はほんとに顔も熱いし、心の奥がすごいきゅっとする。



「俺も悪かったよ。」