「……まぁ、話はこの辺にして。今日はどんなことをしているのかまずは見てもらおうか」
「そうですね……源氏香を」
そう言うと二人は準備を始めて厚紙のような敷物の上に道具を並べる。
「星野さん、今からやるのは組香といってかんたんに言うと香りを当てる遊び。この包んである中に五種類の香りが二十五包みあるんだけどこれをトランプのように切ってこの中から五個選んでこの香炉を使って焚き出してからその二十五通りの中のどれかを当てる遊び……なんだけど、まぁ追々やるからね」
そう言って先輩と佐山くんが始めたのだけど……うん、全然分からない。だけど、なんだか、二人ともきれいだと思った。作法とかよく分からないけど、だけど、とても美しく見えた。