(やばい、本当に…)


意識が朧げになりかけそうになる。


「……」


焔さんはなぜか悩んでいるようにも見えた。


「…ごめんね?」


「えっ」


そう言うと焔さんはベットに上がってきて、そのまま私の体に抱き寄せるように触れる。


「っ…えっ」


「少しだけ我慢しててね」


その言葉を呟いては私の顔にいつものように近寄ってー。


「!?」


いつもと違うのは、ほっぺやおでこではなくて、唇に押し付けるように触れてきた事。


(なっなんで…っ)


確かに焔さんの奴隷になる選択をした時にキスされたけど、でも今回はなんか違うキスだ。


「ふっ…っっ」


(い、息が頭が違う意味でぼーっとする)


口の中に入って弄る舌があまりにも生々しくて、変な感情になる。


反抗したいのに上手く力が入らない。


「!」


(今、何か…通った?)


最初の時も口の中に何かが通った感覚して、今回もスーッと何かが通った感覚を感じた。



「っ…はぁ…はっ」


ようやく離してくれたけど、なんだろうすごくぼーっとする。


「大丈夫?」


「!えっ…えっと」


焔さんは私の後ろに移動したと思いきや、そのまま座り込んだ。


(またなの?)


また焔さんの足の間に横向きの体制にさせられる。


「あっあの…っ」


立退きたくても頭がまだぼーっとするせいかいまいちする気が起きない。


むしろ私が怒っているのはー。


「なんで……酷いよ…舌いれるとか」


「……しょうがないじゃん。それが1番効率がいいんだから」


(効率って…)


意味が分からないのだけど。



「あ、もしかして変な気持ちになった?」


「!?」


焔さんは突然変な事を言いながら顔を近付けてきた。


だけど、その顔はどう見てもからかっているような表情だった。


「ちっ違…っ」


「本当かな〜?」


「っっ〜」


この顔は何度も見てきた。


絶対に面白がってからかっている。


「もーいいかげん離してください。そして近いですっ」


耐えきれなくなってしまって、思わず焔さんの体を押すけど全然力が入らないせいかびくともしなかった。


むしろ逆に焔さんの顔が近寄ってきて「心臓の音早いよ?」とこそっと囁かれた。


その一言にまた顔が赤くなってしまう。