「そもそも生身の人間と人外の国は違うんだよね。その為、空気感の違いから呼吸困難になる生身の人間も多くないんだよね」


「そうなんだ…」


「生身の人間と獣人の作りも違うからね。
で、その為にその薬が作られているんだよ」


「なるほど」


すごく納得できる説明だった。


「まあ、君ほど酷くないけどね」


「えっ」


「普通は薬で1週間ぐらいすれば良くなるんだよね」


「へー」


そういうものなんだ。


でも、今気になる言葉を発したような気がする。


「まあ、君はどうだろうね。あの薬では半日が限度なんだよね。普通はもっと持つんだけどな。まあ、同じでも違うからね」


「そんなに違うんだ」


「だいぶね」


「そう…良くはなるんですよね?」


「……一応ね」


なんだろうその間は…。


なぜか間を開けて返事をされた。


「この国に長くいるとしたら、緩和されるけど。君の場合は分かんないかな」


「えー…」


「なんせ別の世界の生身の人間なんて知ってる訳ないでしょ」


「そうだね……」


ごもっともな答えだけど、もう少し納得できる言い方をしてほしかった。


(曖昧だな…なんか)



「その、薬ってあるんですか?」


「まあ、あるけどもうほとんどないけどね」


「えっないの?」


「ないよ」


なかったらこの先また同じ事が起きた時どうしたらいいんだろう。


「安心しなよ。他の方法もあるから」


「あるの?」


「うん」


「それって」


「内緒」


「えっ」


「今は教えてあげない」


「……」


(何それ…)


すごく勿体ぶられた言い方をされた。


なんで教えてくれないんだろう。



「さてと…そろそろ寝ようか」


「えっは? いや教えて…」


「ああ、大丈夫大丈夫。すぐに分かるし」


「いや、だから…えっ」


そのままベットの中に入られる。


「えっちょっと…!」


「はー疲れた」


「ねえ、焔さんっ焔さんってば」


(嘘でしょ)


そのまま寝始められた。


ピタッと抱きしめられているせいか、逃げ出そうも逃げる事ができなかった。


(信じらんない)