「………!」


(おいひい…!)


「美味しそうに食べるね、よっぽどお腹空いてたんだね♪」


「!」


(しまった…普通に味わってた)



ダイニングルームのような部屋に案内されて、入ると大きなテーブルにたくさんの料理が並んでいた。


私の為に作ってきれた料理らしいけど、あまりにも豪華な料理に少し躊躇しつつ、一口を口に入れるとびっくりするぐらい美味しかった。


パンもふわふわで外はパリっと言う音が響き、中は綿菓子かのようにふわふわ食感だった。


「美味しかった?」


「はい、ごちそうさまでした」


よっぽどお腹が空いていたのか、ほとんどの料理を平らげてしまった。


「そりゃあ、よかったよ」


味わった事のない料理ばかりで、どれもこれも美味しくて手が止まらなかった。



「さてと…」


「!」


食事を終えしばらくしてその人は立ち上がり私の隣のイスに座りだした。


「そろそろ、お話しをしようか」


「あ…うん」


ようやく話してくれるんだ。


「そうだな…どこから話すべきか。
…うーん、まあいいや。えっと…簡潔に話すけど驚かず聞いていてほしい」


「はい…」


少し意味ありげな言い方をして彼は話し始めた。



「とりあえず…自己紹介をした方がいいかな。…俺は焔〈ほむら〉。よろしくね」


なんとも簡潔的な自己紹介だろう。


「あと、猫族のケモ耳属の獣属性かな」


後ろに何か付け加えた。


「?…えっと」


なんとなく薄々は気付いているけど、ここって要するに…。


「獣人って…」


「ああ、そこから説明した方がいいよね」


正直な所、ここがどういう場所なのかよく分からない。


「ここは獣が存在する国で、獣人とは動物と人型の外見を合わせ持つ人のことで、ここでは全ての住人が獣人しかいないものと思ってくれるといい」


漫画やアニメとか物語上の世界のものだと思っていたから、現実に目にするとは思わなかった。


私は未だに夢なんじゃないかと思っているけど、現実なんだ。


「で、獣人には3つの種類…属性があって、俺は耳だけなのでケモ耳属性、で顔のみが獣人顔属性、身体全体なのが獣人〈けものびと〉属性。基本的にはこの3つのどれかに属される。そして、この3つの属性を自由に操作できる属性を獣属性になる。この属性はかなり特殊で基本的には貴族だけで、貴族でも持ち合わせている人は少なくて、稀に一般の獣人にも持っている人もいる」


「貴族…」


焔さんもそういう類なんだろうか?


見た感じそんな感じがするけど。