歯磨き粉までいい匂いだった。


あと、あの歯ブラシ絶対高級品だ。


「………」


「わあ、可愛いー」


「!」


浴室から出るとメイドさん達が外で待ってくれていて、先程の部屋に案内してくれた。


部屋に入ると先程の人が待っていた。


「あの…これ」


「サイズ合ってた?」


「あ、はい」


「それは良かった」


サイズはぴったりだった。


でも、なんでこんなかわいい服用意できたのだろうか。


誰かに借りたのだろうか。


「でも、サイズは」


「ん? ああ、君が来ていた服にサイズ書いてあったあったから」


「ああ…」


(ん?)


って事は服を捲って見たって事だろうか。


「そ、それって…ふ、服を…」


「まあ」


「って事は…下…」


「そうだね」


「っ!?」


(嘘…見られた…)


寝ていて記憶がないとはいえ、そういうのは正直嫌なんだけど。


落胆して落ち込んでいる私を見て、突然 堪えるかかのように笑い始めた。


「……あの、なんで笑ってるの?」


「いや…純粋すぎて面白いなって思って」


「……」


すごく感じ悪いんだけど。


「安心しなよ、俺はしてないから。確認はメイドがしたから」


「はっ?」


「いやー面白いわーははっ」


「……っ」


すごく感じ悪い……。


「この服は誰かに借りた物?」


「ううん、俺が選んで買ってきた物」


「えっ」


「君に似合うと思って」


「……そう。…で、でもスカート丈が短い気が」


「そう? こんなの普通じゃない?」


「でも、普段あんまり履かない長さだったから」


「可愛いと思うよ」


「っ」


この人、さっきから平気で「可愛い」とか言って恥ずかしくないのだろうか。



するとそっと私の着ている服に触れてくる。


「えっ」


腕に軽く手を置き耳元に顔を近付ける。


「っ!?」


「ふふ…お腹空いたでしょ。おいで」


「……なっ」


(なんで、またー!?)


耳元を抑えて赤くなっているはずの顔を必死に抑え込んだ。


さっきは確かに運悪く当たったかもだけど、そもそもの原因はこの人が顔を近付けたせいであって…。


(というか、なんでほっぺにちゅーしたの!?)


本当に意味が分からないんだけど!



この人、自分勝手すぎてやだ。


助けてくれたのは感謝してるけど、色々問題がありすぎる。


(というか、本当にここどこなの?)