「…り…り…ちゃ…ん……」


(あれ?……ああ、そうか夢だったんだ)


そっかあ、ここが現実なんだ。


そっか……現実なんだ。


まだは目覚めてっきりしない頭で先程の夢だったもだと、ようやくしてはっきりしたのだった。


(ここ…どこだろう)


感触からしてベットの中ぽいけど。


いまいち記憶が曖昧だ。



「あ、起きた? 目覚めはどう?」


「……?」


声の方を振り向くと猫耳の男性がそっと顔を覗かせていた。


「あれ? まだはっきりしてない? うーんもう一回すれば起きるかな?」


そう言ってその男性はそっと顔を近付いてくる。


「…っ!?…ちょっ…ちょっと待って!」



顔が近距離に近付かれた時、はっとなりその男性の体を押して同じく自分も起き上がる。


「えっ」


だけど、起き上がりの反復が低かったのか、戻ってしまった。


「っ!?」


「あー」


(嘘……また)


その人はすぐに離れてくれたものの、少しすました顔でベットに座り込む。


もう一度体を起こし口元を手で覆った。


「っ」


「言っておくけど、今のは君が悪いよ」


「そもそも…しようとしてたじゃない」


起き上がった反復が低かったせいでベットに倒れてしまい、そのままこの人も一緒に私に倒れてしまった。


ただ、そのまま倒れ込まれたら良かったんだけど、運悪く顔が近かったせいか倒れ込まれた先に唇が当たったのだった。


「うーん、まあね…でも別にする気はなかったから」


「………」


「ごめんって」


そう言って頭を撫でられる。


「………」


「でも、どっちにしても今嫌がっても無駄だと思うけどね」


「えっ」


「まあ、いいけど」


なんかよく分からないけど、謎な事を言われた気がする。